事前にリスクの把握が必要

脊柱管狭窄症の治療に関する手術はいろいろあります。それぞれ具体的な治療法や費用、治療にかかる期間などが変わってくるわけですが、どの治療法を選択するかについて考える際には必ずリスクについても把握しておきましょう。

心配されるリスクの中には確率が非常に低いものもありますが、1％でもリスクがあるのならきちんと理解しておく必要があります。もちろん、医師の方から丁寧な説明があるはずですが、わからなかったことがあれば質問をしたり、自分で調べたりして理解を深めておくことも大切です。

脊柱管狭窄症手術のリスク・デメリットについて

代表的な手術方法とリスクやデメリットを解説します。

ME

MELは内視鏡を用いて狭窄している場所を広げる手術です。内視鏡を用いるため手術でのキズを小さくすることができます。また同時に筋肉も大きく切り開く必要が無くなるため患者への負担は少なく、入院期間も1週間程度で済むのです。また抜糸も早いため2週間程度で日常生活の制限は無くなります。
一方で内視鏡で狭窄を広げられない場所では実施することができません。また椎弓とよばれる背骨の一部を切り取ってしまうため、手術後の骨に不安定性を残すリスクがあるのです。

出典：脊柱管狭窄症の手術をしたくない方必見！AKS療法と一般的な治療法の解説

内視鏡を使った手術ということもあり、できるだけ傷口が小さく済むような方法を選択したい方から選ばれています。体力がない方なども傷口が小さい方が回復にかかる期間が短く済むので理想的ですよね。しかし、背骨の一部を切り取る治療であることは理解しておきましょう。

FEL

１術者に高度な技術が求められるため、実施可能な医師が少ない。
２全てのタイプの腰部脊柱管狭窄症にFEL（FESS）が適応するわけではなく、一部の狭窄症のみが適応。

出典：腰部脊柱管狭窄症の手術について｜岩井整形外科内科病院

最も大きなデメリットとして挙げられるのが、そもそもこの治療に対応している医師が少ないということ。対応できる医師が見つかったとしても実績数が少なければ心配が残ります。すべての狭窄症に対応しているわけではないので、このあたりも注意しておきましょう。

XLIF

一方、XLIFには腸腰筋の操作、もしくは腸腰筋内を走行する脊髄神経への侵襲から術後27％の患者に股関節屈曲筋力低下など大腿から下腿に何らかの症状が出現すると報告され、リアルタイムの筋電図モニタリングを用いても術後62％の患者に何らかの下肢症状が報告されている。

出典：腰椎変性疾患 | 総合東京病院【公式】中野区練馬区 24時間救急受入

参考先にある通り、術後27％の患者に症状が現れることを考えると、決して低い確率ではありません。この治療法について検討している方は、自分の場合はどれほどのリスクがありそうなのか、他に考えられるデメリットはないのかなど、医師に良く確認しておきましょう。

わからないことは医師に相談

専門的な手術をすることになるわけなので、わからないことがたくさん出てきます。どうしても理解できないことについてははっきり担当医に確認し、不安や疑問を解消した上で治療に取り組みましょう。その中でリスクに関する質問をすることも忘れてはいけません。

脊柱管狭窄症で選択される手術等、考えられるリスクについて